QOLを上げるための小さな改修
中古マンションのリノベーション
仙台市の中心を流れる広瀬川沿いに建っている中古マンションの一部を改修したプロジェクトです。築年数も浅く、一見すると改修を要する部屋には見えませんが、ところどころに定型的な暮らし方を強いられるような窮屈さが存在していました。
特に「リビングを分割して無理やり3LDKにした間取り」、「何を入れたらいいか分からない収納スペース」、「濃い木目調のシートで表面的に演出された豪華さ」などなど、小さな子どものいる若い夫婦が自分たちらしく過ごす場所としては、作られ過ぎている感がありました。
暮らしは誰のものなのか
限られた予算のなかで、主にリビング・ダイニング周りにしぼって改修を行いました。
仕切られていた建具を取り払い、リビング・ダイニングは広いワンルームとしつつも、リビングは子どもが裸足で歩き回っても快適な「ウール100%のロールカーペット」、ダイニングは食べ物をこぼしても大丈夫なように「オーク材の複層フローリング」と、生活のさまざまな場面に適用できるよう仕上げ材を切り替えています。
また使い勝手の悪かった既存の収納スペースは解体し、代わりに子どものオモチャから気を許すと直ぐに散らかってしまう日常のちょっとした物までを気軽に整理できる扉付きの造作棚を用意しました。同じくキッチンの収納棚、書斎スペースの天板・棚板など、必要な家具も造作しています。
建売・賃貸に限らず、ほとんどのマンションは一般的な暮らしを想定してつくられています。「暮らしは誰のものなのか」小さな改修でも、画一的ではない自分なりの暮らし方を見据えれば、Quality of lifeをあげることができると再確認したプロジェクトとなりました。