ホテル・エルファロ
ONAGAWA × OUTDOOR × LIVING
町を楽しみ、ホテルでくつろぐ
宮城県の太平洋沿岸に位置する女川町は、行政・地域住民・外部支援者が協力し合い、迅速かつ都市デザインにも配慮した復興まちづくりを進めており、「復興のトップランナー」と呼ばれているエリアです。そんな女川町のなかで、ホテル・エルファロは、東日本大震災で被災した4事業者が協働組合という形をとり、2011年にオープンさせた宿泊施設でした。当時、区画整理による今後の土地利用が未確定なことから、将来的な移転を見据えてトレーラーハウスで営業を始めました。
2015年3月に女川駅が開通した後、駅前に移転・リニューアルオープンすることが決まり、新たに立てたコンセプトが〈女川・アウトドア・リビング〉です。
トレーラーハウスという接地性を活かし、女川の自然や育まれてきた営みをサービス・価値・体験として組み合わせ、この場所にしかない宿泊体験を提供するため、外部空間を積極的に利用できるような配置計画としています。
最後に、今回は様々な事由から関係者協議を重ね、ジャッキを利用した独立基礎を打つことで、トレーラーハウスを建築物として設置しています。これからの日本において、災害時や復興期におけるトレーラーハウスの可能性は大きく、そのモビリティをどのように確保できるのかといった検討・知見の共有が必要であり、本プロジェクトはその好事例と言えるでしょう。