Growing it up プロジェクト
住む人の「らしさ」が詰まった不動産再生事業
Growing it up プロジェクト(以下、GIU)は、仙台でリノベーション事業を軸に、新たな価値を創造し、豊かなものづくりを目指している不動産会社と在仙4名の建築家が、不動産の買い方・つくり方・使い方を提案し、リノベーションの可能性を拡げるプロジェクトです。
リノベーションという選択肢が一般化した今、ライフスタイルに合った自分らしい住まいを求める人が増えている一方で、
① 中古物件は解体するまで正確なリスク評価ができないこと
② 小規模ビルなどの不動産として売りにくい物件の再生手法
③ リノベーション後に売りに出されることも多く、本当の意味で自分らしい空間にならない
といった課題があります。
対象は、仙台駅から徒歩で約20分、店舗併用可能な3F建て、延床面積132.69㎡の中古物件で、もともと1Fは美容院、2・3Fを住居にしていた建物です。あらかじめ解体し、スケルトンにした状態でインスペクションを行い、水周り等の改修やメンテナンスを施し、再塗装を済ませた状態で売ることで、購入側のリスク減らしています。
中古物件とはいえ、購入者にとって不動産は非常に高価な買い物です。そこで、スケルトン状態のままでも様々な暮らしのイメージを持ってもらうため、4名の建築家が、GIUのコンセプトに沿った自分「らしい」暮らし方を提案しました。
she|design & research officeは、住む+「アトリエ」というテーマで、自身の体験から職住一体型の暮らし方を提案しています。
“建築家”業を外部へひらくアトリエ兼住居
– CONCEPT –
独立後、自宅兼事務所で仕事するなかで3DKの間取りをずっと窮屈に感じていた。既存ビルは専有部と共有部がはっきりと分かれ過ぎているからだ。住む場所には、仕事と暮らしが混じり合い、外部へもじわっと溶け込む空間を盛り込みたい。提案では1階アトリエ+ミニギャラリー、2階ゲストルーム+イベントスペース、3階住居と、各階でシェアのバランスを少しずつ変えている。ON・OFFが往来する生活のなかで、住まいを多様にひらくことができる。
1F「私たち」の場所 アトリエ+ギャラリー
2F「みんな」の場所 ゲストルーム+イベントスペース 3F「私」の場所 住居スペース
2019年1月に開催されたプロジェクトの概要説明会では、GIUの主旨説明、各建築家からのプレゼンを行い、多くの方に住まいづくりの可能性を感じて頂きました。引いては、そのプロモーション自体が、宮町商店街をはじめとする地域のまちづくりに、じわじわと影響していくこと願っています。